🕐 1分でわかるサマリー

結論3行:

  1. 産廃20品目は丸暗記しなくてよい。「どの業種から出ても産廃になる12品目」「指定業種から出た場合だけ産廃になる7品目」「産廃を処理した後の物(13号廃棄物)」の3ブロックで覚える
  2. 業種指定の判定は感覚ではなく施行令2条日本標準産業分類で決まる。「うちの業種はどの品目で指定されているか」を先に確認すれば、迷う範囲は一気に狭くなる
  3. 自社への当てはめは排出場所ごとの棚卸し(事務所→製造ライン→食堂→倉庫→構内清掃)で行う。品目から探すのではなく、ごみが出る場所から探すのがコツ

20品目の全体構造(この表1枚で説明できます):

ブロック品目数中身判定のポイント
① あらゆる業種で産廃12品目燃え殻/汚泥/廃油/廃酸/廃アルカリ/廃プラスチック類/ゴムくず/金属くず/ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず/鉱さい/がれき類/ばいじん出た時点で産廃。業種は関係なし
② 指定業種から出た場合のみ産廃7品目紙くず/木くず/繊維くず/動植物性残さ/動物系固形不要物/動物のふん尿/動物の死体自社の業種が指定に該当するかで分岐
③ 13号廃棄物1品目上記の産廃を処分するために処理したもので、①②に該当しないもの処理後の物も産廃のまま。「処理したから一廃」にはならない

📖 実務解説

12品目はどんなもの?(具体例で確認)

①ブロックは「これが出たら即・産廃」です。オフィスしかない会社でも廃プラや金属くずは普通に出ます。

品目自社で探すときの具体例
燃え殻焼却炉の残灰、石炭がら
汚泥排水処理施設の汚泥、グリストラップの泥状物、洗車場汚泥
廃油潤滑油、切削油、食堂の廃食用油、溶剤
廃酸/廃アルカリ酸性・アルカリ性の廃液全般(洗浄廃液、写真定着・現像廃液など)
廃プラスチック類梱包フィルム、ストレッチフィルム、弁当容器、廃タイヤ、合成繊維くず
ゴムくず天然ゴムくず(合成ゴムは廃プラ側なので注意)
金属くず切削くず、研磨くず、スチール棚・什器、番線
ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず板ガラス、陶磁器、石膏ボード、製品製造工程のコンクリートくず
鉱さい溶解炉かす、鋳物廃砂
がれき類工作物の新築・改築・除去で出るコンクリート片・アスファルト片
ばいじんばい煙発生施設等の集じん装置で集めたもの

業種指定7品目 — うちの業種は該当する?(施行令2条)

②ブロックは「何が」+「どの業種から」のセットで判定します。業種は日本標準産業分類の区分で判断します。

品目産廃になる指定業種(施行令2条)指定外の業種から出たら
紙くず建設業(工作物の新築・改築・除去に伴うものに限る)/パルプ・紙・紙加工品製造業/新聞業/出版業/製本業・印刷物加工業 ※PCBが塗布・染み込んだものは業種問わず産廃事業系一般廃棄物
木くず建設業(同上)/木材・木製品製造業/家具製造業/パルプ製造業/輸入木材卸売業/物品賃貸業 ※貨物の流通に使用した木製パレット(こん包用木材含む)は業種指定なし=誰が出しても産廃事業系一般廃棄物
繊維くず(天然繊維のみ)建設業(同上)/繊維工業(衣服・その他の繊維製品製造業を除く) ※合成繊維は業種を問わず廃プラスチック類事業系一般廃棄物
動植物性残さ食料品製造業/医薬品製造業/香料製造業で原料として使用した動植物に係る固形状の不要物(醸造かす、魚・獣のあら等)事業系一般廃棄物(小売・飲食の食品ごみはこちら)
動物系固形不要物と畜場(獣畜)/食鳥処理場(食鳥)の解体・処理に伴う固形状の不要物— (事実上この2施設に限定)
動物のふん尿畜産農業事業系一般廃棄物
動物の死体畜産農業事業系一般廃棄物

※ 表中の「新聞業」は新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る、「出版業」は印刷出版を行うものに限るという限定付きです(施行令2条)。また、紙くずと同様に木くず・繊維くずもPCBが染み込んだものは業種を問わず産廃になります。

💡 先に「自社の業種」を1回だけ確定させる:総務が把握している日本標準産業分類コード(または主たる事業内容)を確認し、「うちが指定に入っている品目はどれか」をマークしておくと、以後の判定は機械的にできます。

「自社に当てはめる」手順 — 場所から探す棚卸し

第1回の棚卸しシートを、今回は排出場所ベースで埋めていきます。

  1. 事務所 — コピー用紙・段ボール(多くの業種で事業系一廃)、廃プラ(クリアファイル等)、廃蛍光灯・廃電池、什器の金属くず
  2. 製造ライン — 切削くず・研磨くず(金属くず)、端材(材質で品目が変わる)、廃油・洗浄廃液、不良品
  3. 食堂・給湯室 — 廃食用油(廃油)、生ごみ(多くの業種で事業系一廃)、弁当容器(廃プラ)、グリストラップ汚泥
  4. 倉庫・出荷場木製パレット(業種問わず産廃)、ストレッチフィルム(廃プラ)、緩衝材、こん包材
  5. 構内清掃・設備更新 — 側溝汚泥、剪定枝(原則一廃だが自治体判断あり)、撤去した設備・配管(金属くず等)

判定は「場所→中身→品目→業種指定チェック」の順。1品目ずつ「これはどこから出るか」を考えるより、場所を歩いて「これは何品目か」を当てるほうが漏れが出ません。

混合状態の扱い(混合廃棄物の注意)

現場のごみは単品では出ません。複数の産廃品目が混ざったものは「混合廃棄物」として、含まれる品目すべてを委託契約書とマニフェストに記載する必要があります。

  • 例:解体した棚=金属くず+廃プラ+木くず → 契約書に3品目とも記載が必要
  • 委託先がその全品目の許可を持っているかも確認対象
  • 産廃と事業系一廃が混ざった場合の扱いは自治体で運用が分かれるため、混ぜる前に分けるのが実務の大原則

よくある迷いどころ3選

① 木製パレット — かつては流通業・小売業から出れば一廃でしたが、平成20年(2008年)4月1日施行の政令改正で「貨物の流通のために使用した木製パレット(こん包用木材含む)」は業種を問わず産廃になりました。「うちは製造業じゃないから木くずは一廃」という古い知識のまま運用している例が今も多い、要注意ポイントです。

② 廃蛍光灯・廃電池 — 事業所から出た廃蛍光灯はガラスくず・金属くず等(混合)の産廃で、さらに平成29年(2017年)10月1日施行の改正で水銀ランプ類は「水銀使用製品産業廃棄物」の区分になりました。契約書・マニフェストへの区分明記と、対応許可を持つ業者への委託が必要です。乾電池類も事業所から出れば産廃(金属くず等)扱いが基本です。

③ 汚泥と廃液の境界 — 同じタンクの底の物でも、泥状なら汚泥、液状なら廃酸・廃アルカリ・廃油で品目が変わり、必要な許可も処理単価も変わります。ただし、泥状/液状を分ける全国一律の数値基準はありません(昭和46年環整45号通知は定性区分のみ)。建設汚泥に限り「標準仕様ダンプトラックに山積みできず、その上を人が歩けない状態(コーン指数おおむね200kN/m²以下等)」の目安があります。個別案件は性状データを添えて自治体・処理業者に確認してください。

⚠️ 自治体差分の注意

品目の大枠は全国共通(施行令2条)ですが、剪定枝の扱い・混合廃棄物の運用・事業系一廃の分別区分などは自治体により運用が異なります。棚卸しで「グレー」と判定した行は、事業所所在地の都道府県・政令市の産廃担当課に確認するのが最短です。


📥 持ち帰り資料(ダウンロード)

① スライド版「20品目を自社に当てはめる」(社内説明用・全7枚構成)

  1. 表紙:20品目は3ブロックで覚える
  2. 全体構造表(12品目/業種指定7品目/13号廃棄物)
  3. 業種指定7品目×指定業種の対応表(自社該当分をハイライト)
  4. 排出場所マップ(事務所/製造ライン/食堂/倉庫/構内清掃)
  5. 迷いどころ3選(木製パレット・廃蛍光灯・汚泥と廃液)
  6. 混合廃棄物のルール(全品目記載・許可確認)
  7. 自社棚卸し結果(ワークシート記入済み版を貼る)

② 棚卸しシートExcel構成案(第1回の資料を発展)

第1回のシートに以下の列・シートを追加します。

追加要素内容
「業種マスタ」シート自社の日本標準産業分類コードと、指定に該当する品目を1回だけ登録
混合フラグ列複数品目が混ざる排出物に印。含まれる品目を複数選択できる形式に
特別管理・特定区分列水銀使用製品産業廃棄物など、追加区分が必要なものをチェック
グレー判定列「自治体確認待ち」ステータスと確認先・確認日を記録
集計シート品目別の判定結果一覧(→第3回の委託契約チェックのインプットになる)

次回予告

第3回「排出事業者責任って結局なに?」 — 棚卸しで確定した品目をもとに、委託契約とマニフェストの前提になる「処理を任せても責任は残る」の仕組みを図解します。


参考文献・根拠

検証ステータス: エビデンス検証済み(2026-08-19、施行令2条をe-Gov現行条文で照合済み。汚泥/廃液の性状判断は「全国一律の数値基準なし・建設汚泥のみコーン指数の目安あり」で確定し【要エビデンス確認】解消)。